東京の評判

普段から人混みのある場所に出向かないので、まったくいつもどおりの日常なのだけど、都外の人々の目は違うようで、それがとても違和感。糸魚川はいよいよ中止になるのだけど、それは世間の目というより、糸魚川市の宿泊施設が一斉に休止するからだ。観光地とおぼしき所は、県外からの訪問者をシャットアウトしているところも多い。新潟県から参加のチームは、東京在住者はすべて保菌者、みたいなイメージを持っていると言っていた。大げさでなく、これが世論。ニュースでは、東京だけが毎日の感染者を報道している。不要不急の外出にあたる、神奈川県内の実家へ車で戻る時も、そんな冷たい視線を向ける人がいるのでは、と思う。嫌な世の中だ。土曜は地元でラン、日曜は先週と同じく、八王子の峠を登って、キャナリィロウへ。「また来てくださってありがとうございます」とフロアの若い女性が言ってくれた。昨日も窓際の特等席で。いつも、たまライドの時に席を用意してくれる女性が、18日まで休業すると伝えてくれる。「夕べ(土曜日)なんて、お客様は2組だけで。うちがビュッフェだからですかね」と寂しそうに言っていた。来週もまた食べに行こう。

 

桜の終わり

3月の最終週にバイシクルライドの中止を決めて、4月最初の週末。先週の雪で走れていないので、朝からアームカバーにジレを着て出かける。西に向かって走っているので向かい風。多摩川沿いから福生まで行き、七曲り峠を越え、新滝川街道を東へ、そこから走ったことのない善太郎坂、谷野街道。八王子の市街に出たら、16号線で御殿峠、と今日は3つの峠を越えた。昼過ぎにキャナリィロウに到着すると、いつものビュッフェはやっていて、席の間隔を空けて営業していた。矢島さんが窓際の席に案内してくれて、5月からのたまライドをお願いしてくる。帰りの町田街道はひどく寒く、それでも帰りは追い風だったので、高速で踏む。生田の商店街で信号待ちしていると、白髪のご婦人がこちらをしげしげと見つめて、「女性ですか?すごいわあ、プロでやってらっしゃるの?」と聞かれる。「いえいえ」と答えて走り出すが、年言うの忘れちゃったよ。帰宅してお風呂に入ると、足先がピリピリするぐらい冷えていた。この日、東京の感染者が143人になって、いよいよ緊急事態宣言が発令されるという。期間はGW明けまでの一ヶ月らしい。糸魚川もいよいよ中止か、というのが今週。

桜咲く

今年は桜の開花が10日ほど早かったらしい。今週末はほぼ満開なのに、どこもお花見は禁止なので、桜は静かに咲いている。お彼岸の三連休、金曜日は写真を撮りながらのゆっくりラン10km。日曜日は、多摩川を遡上し、調布飛行場、東京競馬場を経由して多摩川に戻り、鎌倉街道から町田街道という、こちらもゆったりライド。風が強くて、行きは向かい風、帰りはラクラク追い風という60km。自転車で走っていれば、世界を揺るがせているウイルスなど、どこ吹く風という気にもなる。バイシクルライドまで1ヶ月を切って、困難は多く、まだまだ続く。

ウイルスに負けない身体

日曜日は自転車ボランティアによるコース試走。40名近く集まって、3つのグループに分かれて30kmを走行。私は第3グループの先導で、全員男性だったので飛ばし気味で走った。日曜日の東京は、爽快この上ない。国会議事堂、東京タワー、増上寺、銀座、築地、今年のエイドとなる豊洲ぐるり公園、月島、門前仲町、柳橋、人形町、岩本町と、前半はオリンピックの舞台となる新東京、後半は江戸情緒たっぷりの旧東京と、メリハリの効いたコース。エイド場所のBBQ広場では、グランピングテントでバーベキューをする家族がいて、本当に気持ちいい。新型コロナ禍の東京は空いていて、皇居パレスも3月いっぱい自粛。「パレスは3月いっぱいお休みです」と説明すると、「関係ないじゃん!」と口々に。ほんと、自転車関係ない。

春の自転車イベント

東京マラソンは一般参加を見送り、これを契機に3月のマラソン大会は軒並み中止。果ては4月開催の宮古島トライアスロンまで中止となった。いったいどうなる、バイシクルライドではあるが、もちろん開催する。スタートは時差式で、一度に集まる人数は東京マラソンのエリートより少ない。屋外の感染は考えにくい、と医師がコメントしている。すべてが過剰な日本。買い物に出かけた多摩境のコストコは、直近信号から駐車場に入るまで30分、さらに店内に入ると、レジから一番遠い肉売り場までカートの行列。レジ待ちに1時間は優にかかるだろうと、買い物を断念。カートには、30ロールのトイレットペーパー。デマに振り回される日本人。45年前のオイルショック再び、である。日曜日は、免疫力を高めるために、自転車に乗る。まあ、高めるためではないけど。自転車は楽しい。

もうすぐロードの季節

ここ2週間ほどで、日本や世界の情勢が新型コロナウイルス一色となった。まるでハリウッド映画の世界。まさか、こんなことが現実になるなんて。それでも、ニュースの中の出来事と打って変わって、スーパーや世田谷通りは、いつもの平穏な時間。三連休なのに、どことなく車も空いている尾根幹、日曜、祝日の二日間は今年初のLOOKに乗った。この間、タイヤを新品にしてもらったばかりのMAVIC USTチューブレスホイール、シューズは佐渡トライアスロンの会場で買ったMAVICロードシューズ。Raphaのロングスリーブジャケットにジレ、カステリのクロップドタイプのタイツを履く。多摩川を眺めながら、尾根幹を上り下りして、鎌倉街道、町田街道を回す。風は強いけれど、冷たくはない。走れる時に走っておきたい。糸魚川の申込みも済んで、走れるのはあと2ヶ月と少し。19回目の糸魚川、完走を目指して。

アジアの映画

建国記念の日、砧公園の外周を走って帰ってくると、NHK-BS3で「七人の侍」を放送していた。2時間40分のフルパッケージ、中盤には「休憩」の文字でインターバルがある。長い、そしてモノクロ。全体的にかなりヘビー。公開は昭和29年、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞という、言わずと知れた「荒野の七人」のリメイク元。何度か断片的に見ただけだったので、改めて見てみると、この映画の画力(えぢから)は圧倒的。名場面と言われる泥だらけのラストシーンもさることながら、三船敏郎、志村喬、木村功、稲葉義雄の顔の力、なんといっても三船敏郎のインパクトは言わずもがな。撮影の力もすごいので、このモノクロ映画をフルで見続けると、疲れる。お腹いっぱいという感じ。黒澤明は不滅だ。そして、アカデミー賞では、作品賞に韓国映画「パラサイト」が受賞。ポン・ジュノ監督は、「殺人の追憶」「母なる証明」でも話題になったが、まだ見たことがなかった。そのポン・ジュノ監督の「ほえる犬は噛まない」を見た。韓流ドラマは随分見たけど、韓国のドラマは結構エグイ洒落も効いていて、なかなか面白い。この映画も、出だしから、なかなか風刺が効いているのだった。森田芳光監督の「家族ゲーム」を見た時のような衝撃。場面場面の画力が、こちらも強い。画面がきれいだ。他の映画も見てみたくなる、ポン・ジュノの世界。

NIKE ZOOM FLY3

今年は暖冬なので、時折寒くなると、堪え性がなくなる。土曜日は気温12℃と温かだったのに、日曜日になると7℃になり、突風のように吹く北風の冷たいことと言ったらない。先週の温かな立春は、芦花公園の外周をほのぼのと走ったけれど、今週は公園へ行くまでの道が北風を遮るものがなく、挫けそうなので烏山川緑道へ。ズームフライ3の走り方に慣れていないので、YouTubeで学習し、真上から空き缶を潰すように走ること、と教えてもらって、なんとか始めから「空き缶、空き缶」と走ってみた。先週よりは、ソールのバネ感を感じられ、筋肉痛も感じない。中目黒で折り返し、国道246を大橋で渡ると、向かいからH夫妻が手を振る。一ヶ月前くらいにも会ったけど、あの時はすれ違っただけ。「どこまで行くの?」「そこよ」と大橋を指すので、「じゃ、一緒に行く」と三人で豪徳寺まで。積る話を沢山して、そういえば一緒に走るってすごく久しぶりだよね、なんて話した。「また走ろうね」と緑道で別れて、私は1人でジムでストレッチ。お風呂に入っても、この日はいつまでも寒かった。

立春

調べてみたら、今年の節分は2月3日だそうで、今日が豆撒きの日だとさっきわかった。道理で日差しは暖かく、立春の日にふさわしい。昨日の日曜日も芦花公園の周回を5周走っていたら、梅の花は一輪どころか、辺り一面咲き誇っていた。暖冬といえど、冬は長く、春が待ち遠しい。そんな景色を眺めながら、静かな粕谷の町をのんびりと走った。先日投入した、NIKE厚底シューズの普及版ともいうべくズームフライ3は、最初こそバネ感が楽しかったのだけど、そのうちに疲れてきて、終盤は歩きを入れつつの15km。ニュースを見れば、筋肉が少ない女子マラソンは厚底派は少ない、という記事に納得する。貧足には宝の持ち腐れ感ハンパない。慣れれば大丈夫なのか? セールに乗せられて色違いで2足買ったのは、果たして良かったのか、悪かったのか。

東京五輪まで180日

大阪国際女子マラソンで松田瑞生の派遣標準記録突破の走りを見るにつけ、いよいよ近づいた東京2020を実感する。あと半年、東京の街はどう変わっていくのだろう。墨田区菊川へ自転車で打合せに行ったついでに、両国国技館に寄ってみる。この日は9日目の場所だった。着物姿に風呂敷包を下げた関取が横切っていく。三脚を立てて、関取を撮影しているファンも多い。序盤で横綱が不在となった初場所だったが、終わってみれば西前頭十七枚目、幕尻という言葉も初めて知ったけど、徳勝龍という人柄があふれる関取が優勝という、印象に残る場所になった。「性格は声に出る」という哲学者の言葉があるが、この人の語り口はまさしく人柄を感じさせる語り口。ファンも一気に増えただろう。貴景勝がもはやヒール扱いというのも面白かった。