イングリッシュ・ペイシェント

咳き込んでいるうちに、スタッフとして5年目の東京マラソンも終わり、気がつけば板橋シティマラソンまで3週間となっていた。何がなんでも30km走をしないといけないのに、走れる日曜日は朝から雨予報。朝のうちはにわか雨と信じて起床。まだ降っていなかったので、フード付きのウインドブレーカーを着て走り始める。雨の野川は寂しいので、目黒川沿いのコースにした。1時間半で折り返す予定で行くが、9時半のスタート直後で雨はパラついていた。246号線を大橋で渡ると、目黒川に入る。雨模様なので、人も少ない。中目黒、目黒と過ぎて、五反田と進む。御殿山のタワーを越えて、品川の新幹線の線路も越える。第一京浜の表示が見える頃、ようやく1時間半になった。雨は本降り。飲み物を買って少し飲む。フードを被って、ここからあと半分、電車に乗らずにたどり着けるか。雨粒は大きくはなかったが、手袋が濡れて手が冷たい。目黒に着いた頃、また咳込んで、肺が苦しくなった。また少し飲んで、歩く。246を渡ると、さて帰り道、と気力が戻る。肋間神経痛が痛むので、時々歩く。なんとか3時間10分で帰宅。シャワーを浴びると、手がじんじんと痺れて、太腿は真っ赤になった。雨はどんどんひどくなって、午後はソファに寝転んで、撮りだめた映画を見る。「イングリッシュ・ペイシェント」、アカデミー賞を9部門で受賞した18年前のイギリス映画。複葉機に乗っている女性、金色に輝く砂漠の風景、そして撃墜される飛行機、オープニングの映像のさまざまな謎が、ラストで漸く明らかにされる。「英国の患者」がなぜ、一冊の本を大事に持っていたのか。なぜ、女性と複葉機に乗っていたのか。悲恋の結末、戦争、スパイ疑惑、砂漠を舞台にして壮大なスケール。クリスティン・スコット・トーマスが美しい。