サンセット・シクロクロス

立川市旧多摩川小学校のサイクルステーションで行った第1回目のサンセット・シクロクロスが無事に終了した。9月末にオープンしたCSでの初めてのレース。校庭を使って、一周2分未満、プロ選手で1分20秒のショートサーキットを、30分の間周回する。高低差はないものの、コーナーの連続で、堆積した砂にタイヤを取られて、転倒は続出。「膝小僧を擦り剝いて、校庭の水道で洗うって、なんか懐かしい感じがした」と参加選手。そういえば、校庭で遊ぶのは、みんな小学生以来のはずで、何十年も前の話。受付は保健室だし、表彰式は朝礼台だし、タイヤの跳び箱もあるし、夕方はライトも点灯して、夕焼け小焼けで日が暮れて、と歌いだしたくなるような、ノスタルジックなレースになった。「いやぁー、楽しかった」と、転んで砂だらけになった顔をくしゃくしゃにして、何人もが言ってくれた。こういうレースから、本格的なシクロクロスへ参戦できる。敷居の低い、シクロクロスレースが誕生した。

水の道・らいど

11月に立川市で行うサイクリングイベントがTAMAGAWA水の道・らいど。旧多摩川小学校にできたサイクル・ステーションをスタートして、コースの7割で川、上水が見える、まさに「水の道」。最初にコース試走をしたのが、梅雨の6月。お天気はよくなかったが、羽村取水口まで続く玉川上水は、静逸で美しく、ここが東京か、と驚くほど。多摩川も日野橋を越えると、ぐっと風景が違ってくる。遠くに奥多摩の山々の稜線が見えて、遠くに来たんだなぁと思える。多摩川はどの景色もすばらしいけれど、羽村に向かっていく、この辺りの風景は本当に素敵だ。このイベントの普及で、自転車店にフライヤーを配りに行ったり、コースの撮影に行ったり、10月までに5回、立川周辺に出かけた。立川には今まで、まるで馴染みがなかったけれど、端から端まで何度も自転車で走ったので、町名もわかるし、なんだかこの町が好きになってきた。基地の町、というイメージしかなかったけれど、自然は豊かだし、飛行場はあるし、福生や拝島も近い。玉川上水も三鷹周辺の景色とは明らかに違ってくる。自転車に乗る人は増えているけれど、こういうコースを走れば、本当に自転車はいいな、と思えるはず。帰りは新奥多摩街道を通って、石川酒造でお土産の梅酒を買った。

秋の東京→糸魚川

秋の東京→糸魚川スポルトは、今年で16回目。一回目も出ているので、それは16年も前のことになるのだと、それはそれで感慨深い。あの頃はスタート地点は京王高尾山口駅前だったし、距離も300kmに満たなかった。神保町の明治大学からスタートするのも、今年で3回目。距離も40km長くなった。一人で走る春の糸魚川とは、コースは一部同じでも、走り方はまったく違う。私達は3人のチームなので、一人が一回に走る距離はだいたい30km、1時間と少しで交代、走り終わると助手席に座って、ゼイゼイしながら補給をし、次のポイントになったら自走者の自転車を降ろし、帰ってきた走者の自転車を積み込み、そして運転。この繰り返し。一回に走る出力が相当大きいので、疲労度も強く、これをインターバルで繰り返すので、結構きつい。しかも、交代ポイントに着いて、走者が来るまでは10分くらいなので、そんなに猶予もなく、忙しい。ここ数年は、スマホになったこともあって、コースはルートラボで見直せるし、ナビを使って次の交代ポイントのコンビニを探すこともできる。それでも、コースアウトをするチームもチラホラある。今年、私が走ったコースは、最後のゴールまでの下り基調をのぞいて、すべて登りばかりだった。交代ポイントの思い違いで43km走った笹子峠までの登り、富士見峠、そして、塔の原から木崎湖までのだらだらとした向かい風の中の登り。普段の練習なら、垂れてしまうようなコースも、チーム戦となればそうもいかず、最初から全力でいくので、水を飲む暇もない。交代ポイントになると、「早かったね~」と喜んでくれる顔を励みに、回しに回す。ところどころで、他チームと一緒になったり、追い抜いたり、抜かれたり。その様子は、夜行われる懇親会&表彰式で、一斉にはじける。この夜が本番という参加者も多くて、125人の宴会場は、なかなか盛大な結婚式場みたいでもある。1位から順番に檀上に呼ばれ、1分で口上を述べ、賞品を受け取る。9時まで、大いにしゃべって、大いに笑って、部屋に戻ってからW杯ラグビー、サモア戦を見つつ爆睡。真夜中2時からの、長い長い一日が終わった。