そして父になる

先週日曜日に引いた風邪が、段々と咳き込むことがひどくなり、週末はとうとう外出できず。二日間とも、まったく外に出ないまま過ごした。咳き込んで、横隔膜が痛い。年明けにCSチューナーが新しくなり、HDをつなげてBS、CSの録画ができるようになったので、番組表を見ながら、片っ端から録画予約をしていた映画を立て続けに見た。最後の5本目に見たのは是枝裕和監督「そして父になる」。家族、夫婦ものでは「歩いても歩いても」「ぐるりのこと。」が印象にある。何気ないせりふにリアリティがあって、まるでドキュメンタリーフィルムのような感じさえする。「ぐるりのこと。」で精神の病を得た妻を支えた夫を演じたリリー・フランキーと福山雅治。この二人が父親役。そして、産院での乳児取り違え事件によって、まさに「父になる」のは福山雅治だった。子供の自然な演技はさることながら、電気店夫婦のリリー、真木よう子は本当の夫婦のようだし、エリート夫を持つ専業主婦を演じた尾野真知子も我慢が当たり前の専業主婦がはまり役。自らも実父との確執を抱えながら、結局はその父の「血が大事だ」の一言で、実子を交換する。それが間違いであったことに気付く時、「父になる」ことができたのかどうか。「歩いても歩いても」も阿部寛、原田芳雄親子の話が軸になっていた。すごく泣いた、という感想が多かったが、涙腺がゆるむことは最後までなかった。