火花

記録的な暖冬と言われるこの冬も、年明けになって、普通の冬の寒さに達しつつある。夜の外気温が8℃を下回ると、さすがに外ランに行くのも躊躇する。先週は祭日の昼間に走ったほかは、夜ランは2回ともトレッドミル。二度目の木曜日は、BS3で「英雄たちの選択」を見ながら8km走った。ちょうどこの日は、真田信繁の回だったので、大阪夏の陣での信繁の選択が、この日のテーマだった。大河ドラマ「真田丸」も始まって、仕事始めの日には、半年前に渋谷区図書館に予約しておいた「火花」の順番がまわってくるという吉報まであった。カードを持って図書館に行くと、エプロンをした係の女性が、私の顔を見てニコッと笑い、「すごいですね」と言った。壁の張り紙には、「火花」の予約待ち人数は1131人とある。「なんで、こんなに早く来たんですかね」と聞くと、さぁー、と首を傾げて書庫の本を取りに行った。2年前くらいから、受賞作品となった新刊本を買うのをやめている。本屋大賞を取った「海賊とよばれた男」を上下巻買ってみたものの、さっぱり面白くなく、読み終わった途端に、図書館に持ち込んで寄贈したのがきっかけだった。その時も、この本の予約待ち人数は600人を越えていたと思う。受賞作品を疑ってかかるようになったのは、この本がきっかけだった。読んでいるうちに面白くなるはずだ、と信じて読み進めて、最後までまったく面白くなかったという本も、この時が初めてだった。「火花」は芥川賞受賞の前に予約したのだったか、こんなに早く順番が来るとは、今年は春から縁起がいい。実際の本は思ったよりも薄く、2日で読み終わった。「大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の音が重なり響いていた。‥‥」小説っぽい書き出しに、一気に期待が持てたのもつかの間、主人公徳永と、心酔する先輩神谷の何年かの話は、一つも心を揺さぶられずに終わってしまった。そういえば、このところの芥川賞受賞作を最後まで読み終えた記憶がない。人物への興味もわかず、ストーリーを追うワクワク感もない。そういう意味では、最後まで読んだのはまだましなほうなのかもしれないが。「世界の中心で愛を叫ぶ」がヒットした時、普段は本を読まない世代が買ったからだ、と言われた。今回もそんな気がする。

ラスト目黒川

今年最後の週末。土曜日は暖かかったのに、走れる日曜日は朝から風が冷たかった。いつもと同じ時間に起きて、そのまま換気扇とレンジの掃除。やかんにお湯を沸かして、熱湯をかけて油汚れを落としていく。この日はゴム手袋をしたので、手荒れもなかった。しかも、この頃は夏場に一度換気扇掃除をするので、かなり楽だ。1時間半ほど格闘して終了。りんごを剥いて食べ、支度をして今年ラストの目黒川コースを走る。風は冷たいのに、日差しは温かい。ランニングの人出もかなりある。年末は男性はやることがない。三宿からは世田谷公園を通って、目黒へ出る。田道で折り返し、中目黒駅前は山手通りを通ってみると、エグザイルの駅ホームの写真があった。Facebookに誰かがアップしていたけど、ここにあったのか。みんなスマホを向けて撮影している。ここから再び目黒川沿いに戻って、いつもの烏山川緑道へ。また風が強くなって、日蔭になるとすごく寒い。歩くと汗が冷えるので、なるべく歩かずに走ろう。今年も沢山走った。来年も健康に走れますように。

目黒のさんま

クリスマスウィークになって、ピザ屋の配達のお兄さんの恰好がサンタクロース姿になった。依然として暖かだが、今年も残り2週間。仕事は最終週になった。年明けに入稿する制作物をチェックすれば、今年も終了。今週末も暖かだった。日曜日、いつものように緑道沿いに走り、三宿から246を渡って、目黒方向へ。なるべく大崎方面へ出るように、斜め斜めに走って行くと、目黒が江戸時代は落語「目黒のさんま」に出てくるような畑だったことがよくわかる、道が畦道の名残になっていて、なかなか大きな通り出ないのだ。番地はやがて祐天寺になり、路地また路地に進むと、やっと車の往来が見えて、そこは駒沢通りだった。目黒はいかに田舎であったのか、ランニングで理解できた。世田谷区よりも入り組んでいる。駒沢通りを下って、目黒川沿いにやっと出たので、いつもの側道をしばらく大崎方向へ。今日は風もなく穏やかなので、ランニングの人が多い。帰りは素直に緑道沿いに帰り、2時間40分。

冬の日

土曜日は気持ちがいいくらいに晴れていて、とても暖かで、12月だというのに薄手のダウンだけで出かけられた。門前仲町で落語会。久しぶりのホール落語は面白く、やっぱり落語はいいよね、と思える。一人で作り出す世界観がすばらしい。日曜日は朝から雨。しかも、寒い。今日こそはランニング、と思って着替えてスタンバイしているのに、雨はシトシト降り続き、ようやく5時過ぎに上がりかけたので出かけると、また小雨が降ってきた。フードを被って、走る。この日はさのマラソンの日。申込みをしていたのに、11月に風邪で走れなかったので、DNF。冷え込みはさほどではないにしても、小雨のレースは寒かったろう。また来年走れるように、もう少し走っておこう。翌日、久々にGPS時計をつけて走ってみたら、あまりのタイムの遅さにびっくり。何年も前、いつも時計をつけてラップを見ていた頃は、遠い昔のことのようだ。その頃の日記を読み返してみると、熱心に走っていたのがよくわかる。少し反省。次のマラソンの時は、もう少し成果が出るようにがんばろう。

まだまだ紅葉ラン

今年は紅葉が長く楽しめて、それはそれで暖冬もありがたい。紅葉を見るのが、長いランに出かける動機づけにもなる。目黒川沿いの紅葉は、それぐらいきれいだ。平日夜の大橋までのランと、少しバリエーションを持たせるために、三宿をまわって目黒をめざす。池尻辺りの通りも紅葉している。路地を曲がり、なんとなく走っていると、山手通りに出た。ちょうど中目黒辺り。目黒川に出て、大崎方面へ。まだ時間が早いので、人通りも少ない。ここのところ毎週走っているけれど、紅葉がまだまだ美しい。何人かのランナーとすれ違う。この日は目黒通りで折り返し、帰りはいつものごとく、時々歩きを入れる。セールものぞく。ようやく2時間45分かかって辿り着き、自宅近くのリサイクルセンターをのぞいてみた。今まで入ったことがなかったけど、タンスやソフャ、テーブル、椅子と、状態の良いものが沢山おいてある。目玉商品も多いのかも。家に戻ると、福岡国際マラソンの先頭集団が10kmあたりを走ってる。川内勇輝が早くも遅れてる。大丈夫か。

まだまだ紅葉

今年は暖冬のおかげで、紅葉の期間が長いのだという。もう師走だというのに、都内はまだまだ見頃らしい。さのマラソンまで2週間という週末、二度目の30km走に出かけてみる。金曜日まで腰は痛く、土曜日の夜、なんとなく痛みがおさまった、という程度で出かける始末。走れなければ、早目に折り返そうといつもの緑道。少し遠回りをして目黒川沿いに出て、大崎で折り返し。1時間半も経過して、この頃から時々歩きを入れないと、どうにも大臀筋が痛い。目黒川沿いはアパレルショップのセールもあって、誘惑が多い。歩くついでに、お店を覗いてみる。ようやく目黒通り、そして駒沢通り。それにしても、X’masイルミネーション前の街はきれいで、歩いていても楽しい。って、歩いてるし。今日はファイン・トラックを着ているので、汗をかいても体が冷えない。アンダーウエアはやっぱりすごい。目黒川からいつもの緑道に戻ると、残り40分くらい。時々、緑道から逸れて、住宅街に入る。松陰神社前のSUDOは日曜日はお休み。閉店した人気店、らーめん辰屋が壊されていて寂しい。家までもうすぐ、というところで、ほとんど歩きになる。あー、疲れた。

冬の散歩道

3週間ぶりのランニング。前回の30km走の翌日から発熱、風邪完治までに3週間、しかも軽いぎっくり腰まで起きていて、ようやく走ることができた。しかも、まだ腰は痛い。一日目は近所の馬事公苑を周回し、二日目はいつもの目黒川。紅葉は一層深まって、雰囲気もたっぷり。目黒に入ると、まるでヨーロッパの冬の景色のようになる。S&Gの冬の散歩道のジャケットのような感じ。クリスマスまでにはまだ時間はあるけど、すでにイルミネーションが始まっているところもある。冬のコートに身を包んだカップルが、休みのデートを楽しんでいる。午後降るはずの雨が小雨ながら落ちてきた。寒くはないので、フードもかぶらずに走り続ける。今日は目黒通りで折り返し。帰りは向かい風だった。

秋とても深し

秋が深まり過ぎて、この時期にしてはすごく寒い。土曜日、相模原市の実家でファンヒーターを出した。一週間前、ロードの乗り納め、と尾根幹を走って、ススキの多さに驚いたが、その道も車で通ったらすでに紅葉が始まっていた。場所によっては銀杏が落ちているところもある。そして日曜日、朝起きるとすでに全日本駅伝が始まっていたので、テレビを点けつつ、洗濯、冬物を出す、などをしていたら昼近くになってしまって、駅伝も佳境になってきたので、結局最後まで見てしまう。東洋大、復活。早稲田も残り3kmを駒沢と競り合い、惜しくも4位で大健闘。本当は午前中にランに出かけたかったが、ランの恰好のまま昼食を食べ、録画してあったラグビーW杯決勝戦を少し見てからジムへ行き、3時から走り出す。6時からのグループパワーに出るつもりで25kmを走る予定で出たものの、1時間15分折り返し予定の場所が大崎付近だったので、ここまで来たらもったいない、と15分走り足して、天王洲で折り返し。今期初の30km走。ジムへ戻ったのは6時10分。この時期の30km走は、野川経由を走ることが多いけれど、目黒川コースにすると、ちょっとおしゃれな街並みを走れて楽しい。ランの悲壮感が少し薄れる。しかし、足は痛くて、シューズを脱ぐのも大変。お風呂にゆっくり浸かって、帰宅後は筑前煮とさつま芋の甘露煮を作って夕食。ランのシーズンが始まった。

サンセット・シクロクロス

立川市旧多摩川小学校のサイクルステーションで行った第1回目のサンセット・シクロクロスが無事に終了した。9月末にオープンしたCSでの初めてのレース。校庭を使って、一周2分未満、プロ選手で1分20秒のショートサーキットを、30分の間周回する。高低差はないものの、コーナーの連続で、堆積した砂にタイヤを取られて、転倒は続出。「膝小僧を擦り剝いて、校庭の水道で洗うって、なんか懐かしい感じがした」と参加選手。そういえば、校庭で遊ぶのは、みんな小学生以来のはずで、何十年も前の話。受付は保健室だし、表彰式は朝礼台だし、タイヤの跳び箱もあるし、夕方はライトも点灯して、夕焼け小焼けで日が暮れて、と歌いだしたくなるような、ノスタルジックなレースになった。「いやぁー、楽しかった」と、転んで砂だらけになった顔をくしゃくしゃにして、何人もが言ってくれた。こういうレースから、本格的なシクロクロスへ参戦できる。敷居の低い、シクロクロスレースが誕生した。

水の道・らいど

11月に立川市で行うサイクリングイベントがTAMAGAWA水の道・らいど。旧多摩川小学校にできたサイクル・ステーションをスタートして、コースの7割で川、上水が見える、まさに「水の道」。最初にコース試走をしたのが、梅雨の6月。お天気はよくなかったが、羽村取水口まで続く玉川上水は、静逸で美しく、ここが東京か、と驚くほど。多摩川も日野橋を越えると、ぐっと風景が違ってくる。遠くに奥多摩の山々の稜線が見えて、遠くに来たんだなぁと思える。多摩川はどの景色もすばらしいけれど、羽村に向かっていく、この辺りの風景は本当に素敵だ。このイベントの普及で、自転車店にフライヤーを配りに行ったり、コースの撮影に行ったり、10月までに5回、立川周辺に出かけた。立川には今まで、まるで馴染みがなかったけれど、端から端まで何度も自転車で走ったので、町名もわかるし、なんだかこの町が好きになってきた。基地の町、というイメージしかなかったけれど、自然は豊かだし、飛行場はあるし、福生や拝島も近い。玉川上水も三鷹周辺の景色とは明らかに違ってくる。自転車に乗る人は増えているけれど、こういうコースを走れば、本当に自転車はいいな、と思えるはず。帰りは新奥多摩街道を通って、石川酒造でお土産の梅酒を買った。