今週は平日も二日走れたし、新しいシューズも届いたし、といつものワイヤレス・ヘッドセットでラジオを聴きながら砧公園へ向かう。気温8℃という予報ながら、比較的暖かい。日差しもあって、砧公園までもうすぐ、という歩道で側溝の蓋に足を取られて転倒。腹ばいで手足を伸ばした状態は、さながらカエルかスキー・ジャンプのノーマルヒル、といったところ。前方にはご老人が3人歩いていて、カエルの私を覗き込んでいる。恥ずかしさのあまり、聞かれてもいないのに、「大丈夫です」と元気に立ち上がる。左足の膝小僧は血で滲み、まだ新しいタイツには穴が開いている。右手のグローブは手のひらに大きな穴。肩も痛い。これから砧外周を走ろうとしていた矢先、戻ろうかとも思ったが、せっかくここまで来て、と走り出す。当然のことながら、調子は最悪。御多聞にもれず、花粉の影響か、痰がからむ。テンションが低いまま、帰り着く。翌日曜日は、ゆみさんと約束していた、先週と同じ野川30km。春を感じる暖かさのなか、野川、東八道路、仙川とおしゃべりランである。途中、大勢のカメラマンが構える先には、カワセミが水面を羽ばたいていた。仙川に入ると、あとはマックをめざしてがんばるのみ。3時間走って、ここで1000kcalは摂取している。
春のお弁当
野川30K
東京の大雪あたりから走っていなかったので、約3週間ぶり。今週も帰りが遅くて平日走れなかったので、週末に集中。土曜日は春一番みたいな暖かさのなか、2時半頃から砧公園に行き、外周を3周。さすがにこれだけブランクがあると、同じペースで走るのはなかなかきつい。しかも、暑い。グローブを外して、それを汗拭きに使う。ちょうど1時間半で15km終了。これだけの距離なのに、随分しんどい。マッサージ器に乗り、腰あたりをほぐす。夜はジムの風呂へ行くと、リカちゃんが「ねぇ明日走る? 私、来週ハーフだから、明日距離走らないとと思って。ゆきえさん、何時頃走るの?」「何時でもいいよ」「話したいことあるんだけど。でもなぁ、友達と約束もあるしなぁ。メールなかったら、行ってて」。その前に2階で私を探していたらしいのに、2階から下に来るまでに気が変わってしまうリカちゃん。今さら驚くことでもないので、これは走らないな、と一人で12時半に出発。この日もコードレスのヘッドセットを付けて、深夜放送の録音を聴きながら野川へ。前日とは違って、走りやすい。なので、野川~東八道路~仙川の30kmコースにする。暑くなく、寒くなく、野川公園まではスムース。その後の5kmはある東八道路もきつくもなく、やっと仙川。ラストの5kmがきつかった。足全体が筋肉痛で痛く、水を飲むたびに歩く。お腹も空いて、世田谷通りのマックをめざす。3時間で28km。腹ごなしをして、再び走り出すと、筋肉痛は和らいでいる。一月ぶりの30km走も無事終了。シューズが変わっても速くなるわけでもないのに、シューズを新調。
三春小豆のあんぱん
発熱から一週間、まだ本調子とは程遠く、運動もできない状態なので、こういう時はひたすら調理。熱が出る前に煮ておいた小豆を、ザラメを入れて練って練って、あんこにしておく。そして、あんぱんを16個作った。まだ冷蔵庫に入っているこの小豆は、母の故郷の幼馴染ヒロちゃんがいつも送ってくれる、メイド・イン三春の小豆である。大河ドラマでは「八重の桜」で会津が脚光を浴びているが、母の生まれ故郷は五万石の三春藩。福島では、最後まで幕府の忠臣として戦った会津藩が一番有名だが、三春藩は戊辰戦争では、淺川の戦闘でいち早く新政府軍に寝返ったとされる。これを称して、三春の七色狐と後々まで言われ続けているらしい。かたや白虎隊、かたや狐である。なので、同じ福島といっても、会津と三春はまるで違う国のような扱いを受けている、と思われる。その三春の小豆は、濃厚でとても美味しい。そのあんぱんを、母は美味しそうに食べていた。
Bluetooth
インフルエンザ罹患から一週間、実家へ帰ると、先週「お大事に」とメールしてきた弟が、「おまえ、イヤホン持ってる?」と聞いてくる。「持ってるよ、iPodについてたやつ」と答えると、「あんなのクズだろ。俺のワイヤレスの、やるよ。結構高かったんだよ、でもポイントで買ったやつだから」なんて、頼みもしないのに、勝手にベラベラとしゃべりながら私のスマホを片手に、ワイヤレス・イヤホンのペアリングを始めた。そして、私のスマホには、今まで見たことのないBluetoothのマークが出るようになった。ためしにradikoを開いて聞いてみると、当然のことながら、コードがないのに、音が聞こえる。すごい。この頃は、ウエストバッグに防水の袋に入れたスマホを入れ、ポッドキャストの放送を聞きながら走ることが多いので、どうしてもコードのジャック部分がはみ出て面倒だった。走る時にコードから解放されるのはありがたい。しばらくBluetoothのまま車に乗っていたら、助手席ナビの案内がいつまで経っても聞こえない。ワイヤレスにしておくと、電話の呼び出し音もしないのだった。
身の上話
NHKでドラマが放映されるようになって、原作本に興味がわき、図書館に予約を入れておいたら、すぐに取り置きメールが来たので、その日から読み始めた。22歳の、海辺の田舎町にある書店員ミチルの話。ドラマタイトルは「書店員ミチルの身の上話」。きっかけは、ほんの小さないたずら心。月に一度、東京から出版社の営業としてやってくる男を駅まで見送るつもりで仕事を抜け出したのに、「じゃあ、また来月ね」が、「来月はお盆休みだから、今度は秋だね」の相手の一言から、そのまま飛行機に乗って東京まで着いて行ってしまう。歯が痛いので、歯医者に行きたいと言って出てきたまま、宝くじを買うおつかいだけを頼まれて、ミチルはそのまま何年もあちこちを彷徨う運命となる。いかにもありがちな日常と、まったくありがちではない宝くじの高額当選。守れると思って、いつも肌身離さず身に着けていたリュックサックの中の秘密も、それはいとも当然に周囲に知られていて、自分への好意を安易に利用していた幼馴染の報いか、当然の因果か、一つ狂った歯車は、どんどん不幸への階段を転がり落ちていく、という中盤からはあれよあれよの展開となっていく。サスペンスの内容も、殺しのための殺しというより、ストーリーに無理はなく、手練れた文章ゆえに、最後まで飽きさせずに読者を連れていく。最初から語り手として登場するミチルの夫が、なぜ妻のストーリーを語っているのか、その理由も最後の1ページまでわからない。2億円の宝くじ当選者が必ずしも幸福な人生を送れない、というお定まりの内容ではないのだが、そのあまりにもお粗末なその場その場の選択によって、結局は身を滅ぼしてしまう、という内容だ。ミチルの人生はあまりにも愚かで、悲しい。そして、この小説で一番リアリティがある人物が、職場の同僚、安藤サクラ演じる初山である。そして、安藤サクラも、ものすごく上手い。
インフルエンザか?
この冬は風邪引かないなぁ、すごいなぁ、と思っていた。風邪を引いた人には、思いっきりエバって「まだ、風邪引いてません!」と豪語していた。が、しかし。金曜日はまだ咳がコホンコホンと出ている程度だったが、土曜日になって、微熱が出始めた。喉が痛く、身体の節々も痛くなってきた。体温計で計ると、体温は37度ほど。まだ微熱って感じだ、と高をくくっていたら、日曜日、熱はどんどん高くなり、寝ていても全身が痛く、食欲はゼロ。トイレに立つのも、水を飲むのもやっと。体温はいよいよ39度までになり、これは久々の高熱だなぁ、とひたすら眠る。風邪薬は家にはなく、病院へ行くほどの体力はないので、何かをしようと思ったら、鎮痛解熱剤を飲んで、しばらく熱を下げ、少し楽になったと思うと、やがてまた高熱になって、という繰り返し。月曜日、お弁当を作らなければいけないので、38度あった熱を薬で下げて朝ご飯の支度もし、少し食べる。さて、横になろうとしていたら、今日期限の税金の支払い、諸々の用事を思い出し、少しやつれた顔に化粧をし、電車に乗る自信はなかったので、自転車で出社。会社に出てみると、寝ていた時ほどの痛みもなくて、作業をこなせている。しかし、髪は寝癖がついたまま、目はしょぼしょぼである。「インフルエンザか?」というメールをデザイナーに送ったら、「インフルエンザです!今すぐに病院に行ってください!」という赤字いっぱいの返信が来た。でも、まだ行ってない。
ジブリ
一ヶ月ほど前から、ブレーキを掛けるとヘッド回りがカクンカクンとして、どこか緩んでいるような不穏な状態で、ショップへ行かなくちゃ、と思いつつ年越し。なかなか時間が作れずにいたところ、週末ようやく三鷹の店長のところに行くことができた。日曜日の夜、電話をすると、「一旦出かけますけど、8時半頃戻ります」というので、その時間に合わせて自走することにした。この日、車がなくて、しかも夜なのに気温が8度もあって暖かい。ラジオを聴きながら、真っ暗な道を三鷹へ向かう。店は棚卸の最中で学生アルバイトの二人が黙々と作業中。「こりゃぁ、ヘッドだなぁ」と店長があらゆるところを締めてくれる。「ブレーキシューも減ってるし、バーテープも巻いてほしいんだけど」「お客さん、困りますね、こんな時間に‥‥」って、自分の愚痴も吐きつつ、作業は終了。ヘッドのガタツキはなくなって、ついでに新しいチェーンオイルをたっぷりと差してくれた。写真は、店長にもらったスタジオジブリのがまぐち。名刺入れに使うことにした。刺繍は、内側、表、裏、とすべて違う絵柄で三か所に入っていて、ディテールにこだわったジブリらしい作り。
送電線
今週は平日ほとんど走れなかったので、週末に集中して走った。土曜日は久々の砧公園外周コース。昼過ぎに外へ出たら、少し寒かったものの、走り出すと風もなく、ちょうど良い天気。砧公園に着いて、公園の周りをトコトコと走る。3kmのコースを3周して戻ると、ちょうど15km。帰りに世田谷通りにあった無人野菜販売所でネギを100円で買って、そこからは右手にネギを持って走る。きちんと走ったので、シャワーを浴びたら、眠くなってソファーで昼寝。起きると夕方だった。翌日曜日は、さらにいい天気.成人の日が雨予報だったので、3回洗濯機を回し、掃除もやって1時に仙川へ。飛ばしていたのか、気温が高いのか、汗がボタボタ。中央高速の下の公園で水を飲んで折り返し。上を見上げたら、送電線が五線譜のようになっていて、10個の音符? いやいや、ゴンドラに人が乗っていて、電線の点検をしているのか、その光景はまるでSF映画のようだった。22kmを2時間10分で帰宅。大臀筋が痛い。
初詣
「自転車なら、車で通りすぎてしまう景色に気づきます」なんて、当たり前に書いていた常套句。それでも、自転車だと気づかない景色が、歩いていると気づくこともある‥‥。二子玉川から自転車で帰ってくると、246号や、その一本内側の市道をかなりの勾配で上って来なければならない。商店街を抜け、NTTの前を通るその道は、ちょうど最後の勾配がきついので、一生懸命上る上り坂。そして、その日は同行の二人ともシングルギアであったので、到底上れず、諦めて押し歩きしていた。と、目に飛び込んだのは神社の長い階段。これもかなりの急こう配。「瀬田玉川神社」と書いてある。世田谷に住んで26年、何度通ったかわからないこの道に、まさか神社があるなんて。こういう機会でもないと行くこともないので、自転車を置いて、その高台の神社で初詣。「歩いていると、自転車では通り過ぎてしまう景色に気づきます」って、改めないといけない。そして、この年末年始は、6日の野川30km走をふくみ、走った距離はトータル90km。ただし、そのうちの60kmはおしゃべりランなので、かなり腹筋を鍛えられている。