東京→糸魚川ファストラン304km

毎年のメインイベント、東京→糸魚川も今年で14回目の出場。年々、当然のごとく年を取るわけで、しかも若くない年齢になってきて、今年は「本当に帰ってこられるのか」と思うようになってきた。去年と同じことが今年はできるのか。前日、金曜日に新宿からかいじに乗って山梨市駅へ移動。ビジネスホテルでは、いつものアスペンの人達と一年ぶりに話をし、翌朝の食料を買い込んで真夜中スタートに備える。当然のごとく、眠れぬ夜を過ごして2時起床。朝食をとって、3時過ぎにスタート場所まで移動する。真っ暗な公園に、怪しい自転車の人たちがごっそりとスタートを待っている。雁坂のみちを数人ずつで走り出す。ものすごく寒い。しかも、昨日から吹いている北風がこの日も最後まで吹いて、過去最高の難レースになることは、このころはまだ誰も気づいていない。やがて甲州街道に合流し、韮崎、白州と進んでいく。陽がのぼってきて、震える寒さはなくなったものの、依然として寒い。しかも、日本海の方角から吹いてくる北風がものすごく、全然スピードが出ない。これじゃあ、着かないかも。暗―い気持ちになって、一人で富士見峠を上る。段々、サポートカーの応援も増えていく。ここを下ると、諏訪湖。この辺りで男たちのパックに追いつく。総勢6人。後ろに着いて走ると、やっぱり楽。手信号なんかをしてくれて、順調に最初のCPに着く。ここで、尾根幹で私を見かけるという伊東くんと話す。20分前のスタートということ。一人で出発し、19号線に入ると、その伊東くんが「オーッス」と声を掛けて追い抜いた。ここに着いていくことにして、しばらくランデブー。他のチームメンバーとも一緒になって、しばらく複数で犀川沿いを走る。20kmくらい行くと、伊東くんが疲れてきていたので、「ちょっと引いてみるね」と前へ出る。そこから、7人の男を引き連れて、やがて二番目のCPへ。「いやぁ、助かった。快復した」と伊東くんが言っていたので、そのまま二人で走ることにした。飯綱高原の上りは、地元能生の若いお兄さんと三人で上る。最後のCPでは、レモネードや蜂蜜レモンをいただいて、元気回復で、残り80km。野尻湖まで上ると、あとは上越に向かって長い下り。でも、向かい風は強く、伊東くんが先行したが、私も交代して前へ。回して回して下って行く、私の大好きな道なので、ガンガン踏む。海岸線の8号線まで、ずっと向かい風。日本海が近づいて、風は強くなっている。伊東くんが少し疲れているようだった。海岸線に出て、アスペンの3人と一緒になり、やがて5人のパックになって、残り40km。標識が「糸魚川39km」となって、俄然エネルギーが出てきた。伊東くんがハンガーノック気味になってきたので、また私が前へ出て、残り30km。「あと20kmくらいだよ」。日本海はすごい荒れようで、海水が私達にまで飛沫となって飛んでくる。ようやく、148号線の標識。「やったー」と前を行くジニーが叫ぶ。左手を高く上げて、左折。もう少しで到着する。右手にフォッサマグナの噴出が見えてくると、そこはゴールの糸魚川ホテル。13時間13分。今年も、なんとかゴールできた。こんな悪条件の中をたれずに走れたのは、二人だったからだ。終わってみると、体のあちこちが痛いが、今年も抜群に楽しい糸魚川だった。