土山峠

2日目は宣言どおりの土山峠へ。国道246号を西へ進み、40km行くと妻田の交差点。ここから宮ヶ瀬を目指すと、あたりは一気に里山の風景に変わる。ここは、清川村。東京からわずか50km足らずで、こんな田舎の景色になる。アップ&ダウンを楽しんだあとは、5km上りの土山峠。何度もつづら折りを繰り返すと、宮ヶ瀬湖の真っ青な風景が現れる。その、最後の二折り位のつづら折りに、おじさんが追いついてきて、「どこまで行くの?」と聞く。息も絶え絶えに、「世田谷から来て、ぐるっと回って、世田谷に帰ります」と言うと、「世田谷からじゃ大変だね」なんて、人のことを聞いたのは最初のそれだけで、あとは「どこのチームですか」と聞いた私の問いに、ルート134だとか、62歳だからもう終わりだよとか、60代で今強いのはなるしまのイトウアキラだとか、自分のことだけ話して、頂上で手を振りながら去って行った。最終日は半原まで行ったが、途中の246号市ヶ尾からローディ2人が追い越して、そのまま行くかと思いきや、上りで追いついてしまうぐらい速くないペースだったので、20km位3人で走った。信号の度に先頭のおじさんが、後ろの少し若い男にギアの話をしてる。「27はいらないね」って、上りはきっかり最後の26使ってそれだけ遅いんじゃ、入れたほうがいいんじゃないの、と教えてあげればよかった。

連休開始

2週間続きのイベントがあったので、実に3週間ぶりに80km走ったのが昔の天皇誕生日。そして、3日空けて、いよいよゴールデンウイークの初日。またいつものコースに行くべく、タイヤに空気を入れていると、まったく練習には行く気のない家人が、「熱心だね」と皮肉混じりに言う。「糸魚川舐めてると、えらい目に合うよ」と返し、「走れない日が続くと、走れることがありがたいなあ、と思いながら走るんだよね」と私。「めずらしいよね」と、去年150kmで挫折した元体育会自転車部が言う。どうせ、今年も回収車だろう。去年、結構練習したつもりの私でも、向かい風の中を回し過ぎたのか、200kmからいつもは痛まない膝まで痛くなって、最後はかなりヘロヘロ状態でゴールしたのだった。やっぱり糸魚川はつらいのだ。そして、私はまたラジオのイヤホンを耳に入れ、野猿街道へ向かった。新緑がきれいだ。この頃、走っているのが楽しい。自転車は気持ちがいいなあ、と今更ながら思う。そして、私は一人で走るのが好きだ。いろいろ考えながら、景色を楽しみ、ペダルをこぐ。この時期はおそらく、一年で一番緑がきれいな季節。連休は宮ヶ瀬の土山峠に登れる。