束の間の秋

ついこの間までエアコンをつけていたはずが、未曽有の台風19号が去ってから、秋がやってきていた。10月のたまライド100Kの試走に出かけた日曜日は、多摩川の台風被害を目の当たりにしながら、あきる野から八王子までの七曲り峠、その先の高尾街道にはイチョウがうっすらと色づき、秋の気配を感じさせた。あれだけ蒸し暑かった今年の夏。早く秋が来てほしいと思ったのに、紅葉の街道を見ると、なんだか冬が近づいただけ、と寂しくなるのはどうしてだろう。ステンレスマグにたっぷりと氷を入れて走った夏と違い、サイクリングボトルに水だけ入れて、吹く風が心地よく、峠道も楽々と登れる。自転車には一番いい季節。シーズン中のトレーニングと違って、景色を眺めながらのサイクリング。こういう走り方が、自転車本来の楽しみ方だろう。それでも、今年は秋の訪れが遅いので、もう冬はそこまで来ている。束の間の秋を自転車で楽しみたい。