弥生三月

漸く3月になったと思ったら、今年の東京マラソンは気温5℃、北風の吹く寒い寒いレースになった。東京マラソンのスタッフを5年間やった時は一度も降られていないので、悪天候はめずらしいのだろう。それにしても、寒い一日だった。テレビでレースを観戦してからも、一度も外に出ず、買ってあったBlue Rayを鑑賞。「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」は、9.11で父親を失ったアスペルガー症候群の男の子の話だったが、トム・ハンクスは言わずもがな、母親役のサンドラ・ブロックがとても良くて、かなり面白い映画だった。監督は「めぐりあう時間たち」「愛を読むひと」のスティーブン・ダルトリー、気持ちの移り変わり、伏線を丁寧に描く。祖父役で登場するマックス・フォン・シドーもさすがの存在感で、映画に重みをもたせる。サンドラ・ブロックは若い時より断然に素晴らしく、この人は9.11だけでなく、日本の3.11にも1億円もの寄付をする本物の人。演技に厚みがある。こういう佳作に出会うと、やっぱり映画は素晴らしいと思える。