ジャスト・ライド

10月24日に発刊されたばかりの翻訳本。アメリカのリーベンデールという自転車メーカー創設者グラント・ピーターセンが書いた、まったく新しい自転車バイブルである。トップレーサーの「プロの装備を何もかも採用しているなんて、自転車界ぐらいだ」アンレース(レースをしない人)がプロのレーサーと同じウエア、シューズで、同じバイクに乗っているのはおかしいのではないか、と提唱している。「僕自身の最近のライド・リミットは4時間くらいだ」「ウエアに関して、レースをしないなら、君の持っているほとんどどんなシャツでも、セーターでも、ジャケットでも、コートでも、サイクリングウエアとして適用する」
なんて具合に、自転車をただ楽しむためには、もっと普通でいい、と説いている。挙句の果てには、寒い時期以外のグローブは無意味だし、ヘルメットもいらない、なんて書いてある。自身も普段はヘルメットをかぶらないのだとか。ヘルメットをかぶって、猛スピードで走るのと、かぶらずに気を付けてゆっくりと走るのと、どちらが安全なのか、という具合に。私も毎日の通勤、都内移動ではヘルメットはかぶらない。帽子はかぶってるけど、どうにもこうにも、普段乗りにヘルメットはおかしい、自活研は怒るだろうけど。どこに行くにも自転車ジャージにヘルメットって、考えてみれば、野球のユニフォームでカフェに入るようなもので、おかしいに決まってる。つねにオーバースペックで自転車に乗ることはないのである。自転車業界の人は言うことはできないだろうことを、自転車先進国のアメリカの業界人が言ったことに意味がある。自転車は、もっと普通でいいはずだ。

ビーナスライン

今年は寒くなるのが早いのか、紅葉狩りに出かけた11月第2週に、中央高速の相模湖ですでに紅葉が見られた。東京から200km、長野県に入る頃には、紅葉の景色が180度に開けた。めざすビーナスラインは、原村を抜けて行くのだけど、目の前に広がったのは、八ヶ岳の景色。手前の山は紅葉なのに、その後ろの山々にはパウダースノーの冠雪。バックには青空。そのコントラストが美しい。創業50年という老舗そばのお店も、母と母のお友達には大好評で、お土産に買った生そばには、お店のつゆをボトルに入れてくれる。紅葉がこんなにきれいだと思えたのは初めてだった。